「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障、学習障害、注意欠陥多動性障害のその他に類する脳機能の障害であってその症状が普通低年齢において発現するもの」と発達障害者支援法において定義されています。
発達障害の種類
- ASD(自閉症スペクトラム症・アスペルガー症候群)
- ADHD(注意欠如・多動症)
- SLD(限局学習症)・LD(学習障害)
この大きく3つに分けられます。 いずれも脳機能に関係する障害・特性です。
発達障害と一口に言っても症状は個人によって大きく変わります。ASD、ADHD、SLDの3つのいずれかが併存し、重なりあう場合があります。このため診断名は「大体この傾向が強めの子なんだ」と理解する程度にしましょう。
発達障害の主な症状
ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)
- 人との関わりやコミュニケーションが苦手
- 想像力(他者の感情の予測)、見通しの困難
- 自分のルールのこだわりや、反復行動
- 視覚や聴覚など、特定の感覚の敏感さ
ADHD(注意欠如多動性障害)
- 不注意や適切な時に注意を向けることの苦手、集中維持の困難
- 多動性、落ちつきやじっとしていることの困難
- 衝動性、我慢や制止の困難
SLD(限局学習症)LD(学習障害)
- 文字や文章を読むことの困難
- 文字や文章を書くことの困難
- 算数、計算、数の概念理解の困難
治療方法
心理社会的治療
発達障害は生まれつきの脳機能や神経系の障害であり、治療することは困難です。基本的には発達障害は生まれてから死ぬまで一生付き合う特性と言えます。そのため治療は”本人が自らの特性を理解し社会に適応する力を身に付ける必要があります。また、周囲の理解など、本人が適応しやすい環境を整えることも大切になってきます。
薬物治療
ADHDには中核症状への効能・効果が承認されている薬があります。薬は神経系の刺激薬もしくは類似の作用があります。薬が症状を根治させるものではなく一時的に症状を抑えるものであることが重要です。そのため薬物療法だけではなく必ず心理社会的アプローチの併用する必要があります。
発達障害の原因とは
明確な原因は解明されていません
発達障害がなぜ、どのような仕組みで発生するのかは明確に解明されていません。遺伝が大きな要因となることは知られていますが、遺伝だけでは発生要因を説明することはできません。また、複数の要因が複雑に影響しあう多因子要因であるとい考え方が現在の主流となっています。
先天的な脳と神経系の障害
先天性な脳機能時神経系の障害であることはわかっていますが、脳のどのような部分に障害があるのかについては一部ある程度わかっているものもありますが、明確にはなっていません。
育児の方法や本人の努力不足とはちがいます
「親の愛情不足」がその原因であるといわれていましたが、科学的に否定されています。発達障害の原因は明確ではありませんが、脳や神経系の障害である以上、生まれてからの育児や本人の努力不足の問題ではありません。